エントリーシートの「長所と短所」で押さえるべきポイント

このページのまとめ

  • 長所と短所を書くときは、企業が求める人物像を意識して方向性を定める
  • 長所が見つからないときは、ボキャブラリーを増やして当てはまるものを見つけるとよい
  • 長所は性格のアピール、自己PRは能力のアピールと考えると書き分けがしやすい

「ESの長所と短所はどうやって書けば良いの?」「長所が思い浮かばない」など、長所と短所の書き方に悩む人は多いでしょう。書類選考を通過できるESにするためには、企業目線を踏まえて長所と短所を見つめ直すことが重要です。

この記事では、ESの長所と短所の探し方や書き方、例文、自己PRとの書き分け方を紹介します。最後まで読めば、ESの長所と短所をスラスラと書けるようになるでしょう。

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目 次

ESの自己PRと長所はどのように書き分けるのか

ESの長所を書く際に、「自己PRとの違い」に悩む人もいるでしょう。ESに書く長所と自己PRの違いを就活生に尋ねると、納得できる回答ができる方は意外と少ないものです。100社以上のエントリーシートの出題文を考えてきた私から申し上げると、長所と自己PRの違いは以下の点に集約されます。

・自己PR:能力のアピールで、後天的に身についたもの
・長所:性格のアピールで、先天的に備えているもの

より端的にまとめると、「△△力」などとアピールするのが自己PRで、「△△性」とアピールするのが長所と捉えるとイメージしやすいでしょう。質問項目が別々に用意されている以上、企業が求める回答は異なります。まずは長所と自己PRの違いを正しく理解して、それぞれの項目で何を書くべきか明確にしておきましょう。

自己PRの書き方を知りたい場合は、「自己PRの書き方は?就活で評価される構成と8つのコツを例文つきで解説」を参考にしてみてください。

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「ESに書く長所なんてない」と落ち込んでしまう人へ

就活生のなかには、エントリーシートの長所欄を見て、「私には書けるような長所がない…」と思い込んでしまう人がいます。多くの就活生の内定獲得を支援してきた私からすると、人は誰しも長所を必ず持っているので、自分を卑下する必要はありません。

実際、自身の長所をもってして、今まで生きてこられたのは事実です。ただ言語化できていないだけで、今までの人生で役に立った長所をESに書いたり、面接で話したりすればよいだけです。

ESに書く長所がないと思い込んでしまう理由

ESに書く長所が見つからないのは、長所にまつわるボキャブラリーが少ないことと、周りの人と比較してしまうことが原因として挙げられます。

長所にまつわるボキャブラリーが少ないから

一口に長所といっても、表現方法は多岐にわたります。就活生のほとんどが、長所についてのボキャブラリーが圧倒的に少ない印象で、長所を言葉で表す際に的確な表現が出てこないのです。言い換えると、自分の頭にある長所のボキャブラリーを増やせば、自分にマッチする長所を見つけられるということです。

書店に行けば、「ほめ言葉辞典」という本がさまざまな出版社から発売されています。ほかにも、インターネットで検索すれば、長所を表す言葉や類語がたくさん出てくるでしょう。「自分には長所がない」と悩んでいる就活生は、ほめ言葉辞典を購入して自己分析をしながら本を読んだり、インターネット検索したりして、「自分の長所はこれだな」と判断すればOKです。

長所でアピールできる性格の一覧は?就活でのアピール方法も解説」では、長所として使える表現を具体的にまとめているので、この記事も参考にしてみてください。

周りと比較をしてしまうから

自分のなかで長所はこれだと決めたものの、「この長所は友人に比べると劣っている気がする」などと考えてしまう就活生も非常に多い印象です。その結果、自分には長所がないと思い込んでしまう傾向にあります。

こちらも、私からすると全く無意味なことです。なぜかというと、地球には約80億もの人がおり、これだけの数がいれば上には上が絶対にいます。この事実からは避けられず、比較したところでキリがないのです。

そもそも長所は生まれ持った性格なので、周りの友人と比べたところで意味がありません。また、就職活動は企業と就活生がマッチングする機会である以上、相性が合わなければ内定は獲得できないのです。そのため、「自分の長所は△△だ」と決めたら自信を持って言い切りましょう。そのうえで、自分が備える長所を求める企業を探すことが内定獲得への鍵を握っています。

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ESの長所についてのキャリアアドバイザーのアドバイス

そもそも長所とは、「意識してなくても当たり前に発揮していること」「周りの人はできてないけど自分はできていること」を指します

その長所を探すためには、まずモチベーショングラフや自分史を作成することから始めましょう!

作成できたら、その中で、
1.モチベーションが高かったエピソードに注目
2.最低3回以上の深掘り「なぜ/なにを/どのように」
3.複数のエピソードから共通項を見つける(=自分の長所)
というように進めていきます。

面接の中で、「長所が発揮できたと思うエピソードをもう1つ教えてください」と聞かれることも多かったりするので、できる限り複数のエピソードから共通項を探せるといいですね。

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ESの長所と短所を書くときのポイント

ESの長所を書く際は、企業が求める人物像に合致しているかどうかが重要です。短所を書く際は、会社の業務に支障をきたす内容を避けたうえで、克服に向けた努力や取り組みも盛り込んでください。

以下で、ESの長所と短所の書き方と具体例を紹介するので、自分ならどのように記載できるか考えてみましょう。

ESの長所の書き方

ESに書く長所は、「私の長所によって、周りの人々や日常生活に良い影響をもたらします」という方向性でアピールをすればよいのです。

一方、自己PRの場合、「私は貴社でさらなる利益の獲得に貢献できる人です」とアピールします。繰り返しになりますが、長所は性格のアピール、自己PRは能力のアピールです。それぞれが影響を及ぼす範囲も異なるので、内容の方向性も別々になることを押さえておきましょう。

さらに、長所の記載欄はコンパクトなことが多く、だいたい20〜100字ほどで、多くても200字ほどです。そのため、記載できる内容も自ずと定まります。

森永製菓内定者のESの長所例

私の長所は、「広く深く知りたいという、旺盛な好奇心」です。大学時代は、接客業・塾講師・学園祭・キャンプ、など幅広い分野に関心を持ち、それぞれに対して自ら深く関与し、行動してきました。

例文のポイント解説

ESの長所欄には、最初に結論を端的に書き、その後にエピソードを盛り込みます。2文のシンプルな構成で、文字数も100文字以内なので、多くのESに収まるボリュームです。

そして、長所を書く際に押さえておきたいのが、志望する企業の求める人物像と長所が合致しているかどうかという点です。企業では採用計画を立てており、選考を通過させる際の基準を設けています。基準の一つに、求める人物像に合致するかどうかも含まれており、採用後のミスマッチによる早期退職を避けたいことから、企業目線で長所を考えることが重要なのです。

長所の例文は「長所の例文22選!面接で効果的に伝えるポイントや注意点も解説」の記事でも具体的に紹介しているので、あわせて参考にしてください。

ESの短所の書き方

短所を書く際に最も気をつけたいのが、志望する企業の業務に支障が出る内容を記載することです。

・交渉を重視する商社において「コミュニケーションが苦手」と記載する
・お金を扱う銀行で「数字が苦手」と記載する

業務を円滑に行えない印象を与えてしまうと、採用される確率も下がってしまいます。短所のESを書く際に、「これは書かないほうがよさそうだな」というポイントは、企業研究をすれば見えてくるものです。短所を書くときの前提として、明らかにマイナスな評価となる項目を挙げるのはやめましょう。

短所が思い浮かばない人は​​「短所一覧70選!効果的に伝える方法と長所への言い換えを例文付きで解説」も参考にしてみてください。

森永製菓内定者のESの短所例

1つに熱中しやすく、他に手が付かなくなってしまうことや、深くまで考え過ぎてしまうところがあります。大学時代は飲食の接客業にて、忙しいお店を選び、スピーディーに決断、行動ができるよう訓練してきました。

例文のポイント解説

長所と同様に、短所を書く際も最初に結論を端的に記載しましょう。そのうえで、以下のポイントを押さえておく必要があります。

・短所を自覚していることを書く
・短所を克服するために行っている努力を盛り込む

人は誰しも短所があり、面接官はESの短所への回答から、就活生がどのように向き合って克服しようとしているかを見ているのです。そのため、努力している内容をきちんと書けていれば、「この学生は成長意欲がある」と評価され、ESの印象を上げることができます。

エントリーシートの書き方は?基本のマナーから選考突破のポイントがすべてわかる!」の記事では、ESの書き方を詳しくまとめているので、長所・短所以外の項目を書く際の参考にしてください。

この記事では、ESの長所と短所の探し方や書き方、例文、自己PRとの書き分け方を紹介します。最後まで読めば、ESの長所と短所をスラスラと書けるようになるでしょう。

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ESの長所と短所の書き方に自信がないあなたへ

「ESに書く長所と短所が思いつかない」「この内容で書類選考を突破できるだろうか」など、ESの記載は迷うことが多く、不安に思う就活生もいるでしょう。ESの長所と短所を書く際は、企業が求める人物像を踏まえて、採用するメリットをアピールすることが大切です。

ESの提出前に、長所と短所の書き方に問題がないか確認したい場合は、就活エージェントをはじめとする就活のプロに相談するとよいでしょう。

就活エージェントのキャリアチケットでは、就活生一人ひとりに合わせたESの添削や、自己分析、面接対策などのあらゆる選考対策を行っています。ESの長所と短所の書き方に悩んでいる方は、キャリアチケットまでお気軽にお問い合わせください。

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本記事の執筆者

高田 晃一(たかだ・こういち)

就職活動コンサルタント。これまで22,000名以上の就活生の内定獲得を支援。また、採用活動コンサルタントとして、日本全国さまざまな規模の企業の新卒採用活動の支援も行っている。著書に『2万2000人超を導いた就活コンサルタントが教える これだけ!内定』(あさ出版)、『188社落ちても内定とれた!大逆転の就活攻略法』(同文舘出版)。

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