警察官のリアルな平均年収は?学歴別・年代別・地域別の違い・退職金も解説

このページのまとめ

  • 警察官の平均年収は約720万円で、比較的高年収に該当する
  • 警察官の月給には基本給以外のさまざまな手当が支給されるため、年収が比較的高い
  • 警察官の初任給は採用枠で異なり、階級をどこまで上げられるかで年収が変わる

警察官のリアルな平均年収は?学歴別・年代別・地域別の違い・退職金も解説のイメージ

地域や国の安全を守る警察官は、公共性が極めて高い仕事の一つであり、年収がどれほどなのか気になる学生もいるでしょう。就職先を検討するにあたって、平均年収がいくらになるかを判断指標の一つにする学生は少なくありません。

この記事では、警察官の平均年収や月給について、学歴・年代・地域別でまとめています。警察官の初任給や退職金の額だけでなく、階級制度や就職方法も解説しているので、業界研究の参考にしてください。

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目 次

警察官の平均年収と月収

総務省がまとめた「令和4年地方公務員給与の実態(253p)」によると、警察官の平均年収は720万円と計算できます。

そもそも警察官は公務員に該当し、給料は国または各自治体の税金から支払われています。そのため、警察官を含むさまざまな公務員の年収や月収は、統計データから明確にリサーチ可能です。

警察官の平均年収である720万円の内訳は、以下のようになっています。

・給料月額:325,987円(年額:3,911,844円)
・諸手当月額:139,692円(年額:1,676,304円)
・期末・勤勉手当合計:1,638,063円
・年収:7,226,211円

※全自治体の警察官の平均年齢は38.8歳

国税庁によると、給与所得者の年間平均給与は461万円(男性が567万円、女性が280万円)とされているため、警察官の年収は平均よりも高いといえるでしょう。

期末・勤勉手当は毎年6・12月に支払われ、「給料月額に対して△ヶ月分」という形で支給額が決まります。警察官の場合はほとんどが地方公務員に該当し、期末・勤勉手当の支給割合は、国家公務員の支給割合に準じて決められるのが一般的です。

毎月の給料と期末・勤勉手当の額に関して、実態は各自治体によって異なりますが、傾向としてはほぼ同じといえるでしょう。

参照元
令和4年地方公務員給与の実態
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果

警察官が受け取る手当の内訳

警察官が受け取る諸手当の内訳は以下のとおりです。

・扶養手当
・地域手当
・住居手当
・通勤手当
・単身赴任手当
・特殊勤務手当
・管理職手当
・特地勤務手当
・時間外勤務手当
・宿日直手当
・管理職員特別勤務手当
・夜間勤務手当
・休日勤務手当

一般的な手当はもちろん、警察官の業務の特殊性ゆえに支払われる手当も多数あります。

これらは各自の状況によって対象の有無や該当回数・頻度が異なるため、必ずしも満額つくものではありません。

なかでも、採用される自治体によって大きく変動するのは地域手当です。地域手当はエリアの人口や物価の高さなどに連動するため、東京都(警視庁)の場合は地域手当が給料月額の20%に指定されています。

勤務地によって年収も前後するため、興味のある方はお住まいのエリアの募集要項を確認してみてください。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第5表職種別職員の平均給与額
令和5年度警視庁採用サイト
採用情報 採用案内 警察官

警察官の平均年収と手取りは異なる

警察官の平均年収として紹介した720万円は、あくまで総支給額です。一般的に、「年収」として表記している場合は総支給額を指しており、手取り額とは異なる点には気をつけましょう。

実際には、毎月の総支給額(額面の給与)から、以下のような項目が控除されて手取り額が決まります。

・所得税や住民税などの税金
・年金や厚生年金保険などの社会保険料
・共済組合などの会費
・財形貯蓄や企業・個人型年金を行う場合は掛け金

一般的には総支給額から20%ほどが控除されるため、警察官の平均給与月額である465,679円に対して約93,000円が差し引かれ、手取り額は約37万円になります。

給与や控除の詳細などについては「初任給とは?基本給や手取りとの違いを解説」も参考にしてください。

警察官は年収1000万円稼げるのか

警察官は明確な階級制度になっているため、上位の階級になれば年収1000万円も不可能ではありません。

ただし、上位の階級は署長クラスになるため、そもそもポストが限られています。さらに、採用される自治体によって地域手当が異なるため、都市部に勤務したほうが年収1000万円に到達できる可能性は高まるでしょう。

上位の階級になるのは25年ほどの経験が必要になるため、早くて40代後半、一般的には50代でごく一部の警察官が年収1000万円を実現できるとされています。

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学歴別の警察官の平均年収と月収

警察官の平均年収に関して、学歴による違いが気になる人もいるでしょう。

結論として、出身大学による年収の違いもなければ、最終学歴に大学・高校の違いがあったとしても、昇進に影響を及ぼすものではありません。

しかし、大卒と高卒で受けられる採用試験の種類が異なるため、初任給が異なる点には注意が必要です。

大卒の警察官の平均年収と月収

総務省がまとめた「令和4年地方公務員給与の実態(299p)」によると、勤務年数1年未満の大学卒警察官の平均給料月額は214,825円でした。

なお、経験年数別の平均給料月額は下表のとおり推移します。

区分 平均給料月額(円) 期末・勤勉手当の額(円)
※平均給料月額に警視庁の水準である4.55倍を掛けたもの
入社から5年未満 230,444 1,048,520
5年以上10年未満 264,497 1,203,461
10年以上 325,842 1,482,581

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(299p)

上記には諸手当が含まれていないため、年収を算出する際は各平均給料月額に諸手当を足したうえで12倍し、期末・勤勉手当の額を足し合わせる必要があります。

諸手当の金額はケースバイケースなので、パターン分けしながら大卒の場合の平均年収をシミュレーションしてみてください。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

高卒の警察官の平均年収と月収

総務省の先述の調査結果によると、勤務年数1年未満の高校卒警察官の平均給料月額は182,482円でした。

経験年数別の平均給料月額は下表のとおりです。

区分 平均給料月額(円) 期末・勤勉手当の額(円)
※平均給料月額に警視庁の水準である4.55倍を掛けたもの
入社から5年未満 199,758 908,898
5年以上10年未満 238,290 1,060,390
10年以上 327,318 1,489,296

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(299p)

なお、警察官を含む公務員の場合、俸給表と呼ばれる給料月額を算出するための表があり、階級や年次などによって「△級△号」として給料が決まります。大卒と高卒では新卒時の俸給が異なり、その差が表れる結果でした。

一般企業の新卒の年収については「新卒の年収の中央値はどれくらい?学歴や業種別でもご紹介!」も参考にしてください。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

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年齢別の警察官の平均年収と月収

警察官の平均年収に関して、年齢別でどのような推移を辿るか気になる人も多いでしょう。

ここでは、20代から50代までの各年代における平均給与月額と期末・勤勉手当の額を紹介します。

なお、以下で紹介するデータはいずれも総務省がまとめた「令和4年地方公務員給与の実態(299p)」を参照しており、大卒者でストレート採用された場合(22歳で入社)を想定しています。

20代の警察官の平均年収と月収

大卒を前提とした、20代の警察官の平均給与月額と期末・勤勉手当の額は下表のとおりです。

区分 平均給料月額(円) 平均給料年額(円)
※左記を12倍したもの
期末・勤勉手当の額(円)
※平均給料月額に警視庁の水準である4.55倍を掛けたもの
平均給料と期末・勤勉手当の合計(円)
1年以上2年未満 221,779 2,661,348 1,009,094 3,670,442
2年以上3年未満 230,052 2,760,624 1,046,736 3,807,360
3年以上5年未満 241,266 2,895,192 1,097,760 3,992,952
5年以上7年未満 254,696 3,056,352 1,158,866 4,215,218

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(299p)

上記には諸手当が含まれていないため、平均額である約14万円(年間168万円)が支給されるとして年収を算定すると、20代の警察官の年収は約535〜589万円ほどになります。

平均給料月額の上昇幅はあまり大きくないですが、諸手当額と期末・勤勉手当があるおかげで年収が底上げされていることがわかる結果でした。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

30代の警察官の平均年収と月収

30代の警察官の平均給料月額と期末・勤勉手当の額は下表のとおりでした。なお、調査結果から年代を正確に特定できるわけではないため、以下の数値は参考程度としてください。

区分 平均給料月額(円) 平均給料年額(円)
※左記を12倍したもの
期末・勤勉手当の額(円)
※平均給料月額に警視庁の水準である4.55倍を掛けたもの
平均給料と期末・勤勉手当の合計(円)
10年以上15年未満 304,446 3,653,352 1,354,784 5,008,136
15年以上20年未満 354,441 4,253,292 1,612,706 5,865,998

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(299p)

上記の算出結果についても諸手当は含まれていないため、平均の年額である168万円が支給されたとして、30代の警察官の平均年収は約668〜754万円と計算できます。

20代に比べて30代は平均給料月額の上昇幅が大きいため、その差が年収に反映しているようです。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

40代の警察官の平均年収と月収

40代の警察官に対しては、以下の水準で給料月額と期末・勤勉手当が支給されています。

区分 平均給料月額(円) 平均給料年額(円)
※左記を12倍したもの
期末・勤勉手当の額(円)
※平均給料月額に警視庁の水準である4.55倍を掛けたもの
平均給料と期末・勤勉手当の合計(円)
20年以上25年未満 392,160 4,705,920 1,784,328 6,490,248
25年以上30年未満 413,250 4,959,000 1,880,287 6,839,287

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(299p)

上記の結果から諸手当額の平均年額168万円を加えて平均年収を算出すると、40代の警察官の平均年収は約817〜851万円と推測できます。

40代になると平均年収は800万円を超えるとされ、給与所得者の年間平均給与である461万円を大きく上回る結果でした。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

50代の警察官の平均年収と月収

50代の警察官の平均給料月額と期末・勤勉手当の合計額などは下表のとおりでした。

区分 平均給料月額(円) 平均給料年額(円)
※左記を12倍したもの
期末・勤勉手当の額(円)
※平均給料月額に警視庁の水準である4.55倍を掛けたもの
平均給料と期末・勤勉手当の合計(円)
30年以上35年未満 420,113 5,041,356 1,911,514 6,952,870
35年以上 426,780 5,121,360 1,941,849 7,063,209

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(299p)

上記の結果に諸手当の平均年額である168万円を加えると、50代の警察官の平均年収は863〜874万円と計算できます。

50代になると年収としては頭打ち感があり、30代や40代頃にかけて年収が高まる傾向にあるようです。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

警察官の初任給

警察官の初任給は、採用される自治体によって異なります。

たとえば、警視庁(東京都)、大阪府、愛知県で警察官として大卒採用された場合の初任給は以下のとおりです。

・警視庁:259,300円
・大阪府:239,922円
・愛知県:242,700円

上記はいずれも地域手当を含み、扶養手当や住居手当などの各種勤務手当は含まれていません。この金額をベースに期末・勤勉手当の約4.5ヶ月分を加えると、おおよその1年目の年収も計算できるでしょう。

参照元
令和5年度警視庁採用サイト
採用情報 採用案内 警察官
大阪府警察
質問 給与や休暇はどのようになっているのですか
愛知県
人材育成・待遇

女性警察官の平均年収と月収

女性警察官の場合、年収にどのような違いがあるか知りたい人がいるかもしれませんが、結論としては男女間の差はほとんどありません。

そもそも警察官は公務員であり、俸給表に基づいて給料が決定します。そのため、女性の場合も階級を上げていくことで年収アップを目指すことも可能です。

ただし、実情としては出産や育児などの都合で、昇進・昇級を断るケースもあります。このような場合、年収に関しては男女間で開きが出る結果になるでしょう。

警察官は退職金も充実

警察官の退職金は、総務省の「令和4年地方公務員給与の実態(387p)」によると、自己都合退職及び勤務期間別の定年退職の場合で以下のとおり支払われているようです。

・自己都合退職:2,869,000円
・11年以上25年未満勤続後の定年退職等:11,282,000円
・25年以上勤続後の定年退職等:22,300,000円

自己都合退職は転職などを理由とするものですが、平均して300万円ほど支払われていることがわかります。

定年退職者の場合、勤続年数によっては2,200万円以上の退職金が支払われるため、民間企業と比べて充実しているといえるでしょう。

国家公務員の退職金については「国家公務員は退職金をいくらもらってる?支給額を調査」も参考にしてください。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第9表の1団体区分別,職員区分別,退職事由別,年齢別退職者数及び退職手当額

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地域別の警察官の平均給料月額

総務省がまとめた「令和4年地方公務員給与の実態(327p)」によると、地域別警察官の平均給料月額の上位・下位3都道府県は以下のとおりです。

上位の都道府県と平均給料月額 下位の都道府県と平均給料月額
1位 広島県:345,100円 奈良県:306,900円
2位 福島県:339,330円 青森県:309,300円
3位 愛知県:337,000円 石川県:315,100円

引用元:総務省「令和4年地方公務員給与の実態(327p)

上記は大卒者の平均給料月額で、学歴合計の場合、最も高いのが愛知県の338,100円でした。なお、学歴合計において最も低いのが青森県の304,000円で、高卒者の割合が都道府県によって異なるため、結果に差が出ているものと推測されます。

公務員の給料については「公務員の給料事情とは?年齢別の違いや職種の違いによる差を詳しく解説!」も参考にしてください。

参照元
令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果
第6表職種別,経験年数別,学歴別職員数及び平均給料月額

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警察官の基本情報

警察官になるには、各自治体で行われる「警察官採用試験」を受験し、合格する必要があります。いわゆる地方公務員として採用されるのが一般的ですが、警察官を志すには給料に関してだけでなく、基本的な業務内容や組織体制、求められるスキルなども理解すべきでしょう。

ここでは、警察官の基本的な情報を順番に解説します。

警察の種類

そもそも日本の警察には3種類あり、それぞれが担う業務内容は異なります。

・警察庁…国全体の警察事務を担当、都道府県警察の指揮監督
・皇宮警察本部…皇居の警備や皇室の護衛
・都道府県警察…地域住民の安全を守る活動

普段の生活で目にする警察官は都道府県警察に該当し、各地域の現場に立って住民の安全を守るのが大きな仕事の一つです。警察庁と皇居警察本部で働く警察官は、国家公務員試験に合格した場合に目指せるもので、いわゆる「キャリア組」と呼ばれています。

警察には3つの組織があるものの、業務の本質としては国内の平和と治安を守ることにある点は変わりありません。

警察官の基本業務

警察官のおもな業務内容をまとめました。

・地域警察:交番に勤務して、地域住民への防犯活動やパトロールなどを行う
・交通警察:交通違反の取締り、交通事故の捜査、交通管制などを行う
・刑事警察:殺人、強盗、詐欺、窃盗などの犯罪捜査、証拠資料の解析、科学捜査による鑑定など
・生活安全警察:少年に関する犯罪の取り締まり、サイバー犯罪対策、防犯教室の実施など
・組織犯罪対策:暴力団や密売グループ、外国人犯罪組織などの対策、取り締まり
・警備警察:災害救助やイベントの雑踏警備、テロの防圧、要人の警護など
・公安警察:テロ組織、過激派によるテロ防止、暴力団・薬物事犯の取り締まり、対日有害活動の取り締まりなど
・犯罪抑止対策:特殊詐欺への対策など
・総務、警務:広報活動や音楽隊、予算管理など警察の組織運営や活動のサポート業務

警察官の仕事内容はさまざまですが、採用後は地域課の警察官として交番勤務からスタートするのが一般的です。経験を積んだ後、特性に合った職種に就きます。

なお、いわゆる「刑事さん」と呼ばれるのが刑事警察で、事件の種類によって「捜査△課」という割り振りがなされたなかで、それぞれに該当する犯罪捜査をしています。

警察官の階級と相当する役職

警察官の特徴として挙げられるのが、明確な階級制度です。

警察官は昇任試験に合格すると階級が上がり、階級に応じて俸給表の適用が変化して月収・年収アップにつながります。警察官の階級と役職の目安をまとめました。

・警視総監:警視庁(東京都の警察本部)のトップ
・警視監:都道府県警察本部の本部長クラス
・警視長:道府県警察本部の本部長・警視庁部長クラス
・警視正:県警本部の部長、大規模警察署の署長クラス
・警視:県警本部の課長、警察署の署長クラス
・警部:県警本部の課長補佐、警察署の課長クラス
・警部補:係長クラス
・巡査部長:主任クラス
・巡査:新人・係員クラス

新卒で警察官になると巡査からスタートし、一定の基準を満たすことで昇任試験を受けられます。役職の目安を見てもわかるように、階級が上がるほどポストは限られているため、昇進して最終的にどのポジションまでキャリアアップできるかは状況次第ともいえるのです。

階級が上がるほど管理職としての立ち回りを求められ、要職につくのは国家公務員試験に合格したキャリア組であることも多いのが特徴として挙げられます。

警察官に求められるもの

警察官になるにはいくつか求められるもの・力があります。

・「人の役に立ちたい」という強い思い
・強い正義感と交渉力
・身体的な健康と体力
・協調性とコミュニケーション能力

社会の秩序を維持し、犯罪を防止して治安維持に努めるという公共性の高い仕事を全うするには、地域社会や身の回りの人に貢献したい気持ちが欠かせません。同時に、強い正義感も求められます。

交番勤務はもちろん、あらゆる事件に際しては関係者との対話がつきもので、粘り強く話を聞き続ける力やコミュニケーションスキルも必要です。

これらの前提として、タフな仕事をし続ける身体的な健康と体力が求められるのは言うまでもないでしょう。

民間企業と公務員の違いが気になる方は「民間企業と公務員の違いは何?特徴や仕事内容をご紹介!」も参考にしてください。

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警察官になる方法

警察官になるには警察官採用試験に合格する必要があります。

具体的には以下で紹介する2つの方法で警察官を目指せるため、ここではそれぞれのなり方について解説します。

国家公務員試験を受験して警察官になる

一つ目が、国家公務員試験を受験して警察官になる方法です。

・国家公務員総合職試験に合格し、警察庁総合職として採用
・国家公務員一般職試験に合格し、警察庁一般職として採用

警察庁は金融庁や特許庁などの各行政官庁と同じ立ち位置で、都道府県警察を統括している点で各地の警察署とは大きく異なります。

そのため、採用試験は国家公務員の総合職または一般職となり、地方公務員以上に幅広い受験科目が出題されるだけでなく、小論文試験も出題されます。

一次試験を通過した後、官庁訪問と呼ばれる志望官庁への個別説明会に参加し、警察庁の面接を受けて合格できると、晴れて警察庁に入庁できる流れです。

警察庁総合職採用の場合、階級は警部補から、一般職採用の場合は巡査部長からスタートする点で都道府県警察の新規採用者とは異なります。

総合職採用者はキャリア組として、全国各地の警察署に異動して、組織を束ねるポジションに勤める場合が多いです。一般職採用者は準キャリア組として、警察庁内または東北・関東・中部などを管轄する管区警察局に勤務します。

各都道府県の警察官採用試験を受験する

各都道府県の警察官採用試験を受けるのが、警察官になるための一般的な方法です。

受験に特別な資格は必要ありませんが、業務の特性上「身体要件」が設けられています。採用試験の詳細は各自治体で異なりますが、以下の試験を実施することが多いようです。

・教養試験
・小論文
・適性検査
・体力審査
・面接

なお、警察官採用試験は受験資格に応じて、Ⅰ類(大卒程度)、Ⅱ類(短大卒程度)、Ⅲ類(高卒程度)に分かれています。

試験の難易度は地方公務員試験と同程度ですが、状況に合わせた対策は欠かせないでしょう。

警察官になりやすい学部

警察官になるために有利な学部は特にありません。しかし、さまざまな法律を扱う仕事であるため、法学部系の学部に所属していると、役に立つ機会は多いにあるでしょう。

また、危険と隣り合わせの仕事であり、体力も必要であるため、体育会系の学部での経験も活かせます。

警視庁の警察官採用試験の合格倍率

警察官採用試験の合格倍率は自治体によって異なるため、ここでは警視庁(東京都の警察官採用試験)における合格倍率を紹介します。

警視庁では「Ⅰ類(大卒程度)」「Ⅲ類(高卒程度)」の2種類が設けられており、令和4年度におけるそれぞれの合格率は下表のとおりでした。

受験者数 合格者数 倍率
男性警察官 Ⅰ類 5,379 886 6.1
Ⅲ類 2,492 243 10.3
女性警察官 Ⅰ類 1,942 261 7.4
Ⅲ類 933 148 6.3

引用元:令和5年度警視庁採用サイト「採用情報 採用案内 警察官

Ⅲ類のほうが採用者数が少ないこともあり、倍率は高い傾向です。興味のある人は、お住まいの自治体の倍率も調べてみましょう。

公務員になりたい方は「公務員に資格や免許は必要?試験の概要から就職までの流れも解説」を参考にしてみてください。

参照元
令和5年度警視庁採用サイト
採用情報 採用案内 警察官

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警察官が年収を上げる方法

最後に、警察官が年収を上げる方法を3つ解説します。

勤続年数が長くなればなるほど適切な昇給がなされるものの、やり方次第ではさらなる年収アップも目指せるため参考にしてください。

昇任試験に合格する

警察官として年収を上げる最も一般的な方法が、昇任試験への合格です。地方公務員の場合、階級は巡査からスタートするため、試験に合格して階級を上げられれば、高卒・大卒ともに年収がアップします。

昇任試験は学歴を問われず、実力と努力次第で突破できるため、キャリアアップの道は誰にでも開かれています。

大卒は採用後およそ2年、高卒は採用後4年が経過すると、階級の昇任試験にチャレンジできるようです。

大卒ならキャリアを狙う

大卒であれば、国家公務員総合職試験を受けてキャリア組を目指す方法もあるでしょう。

キャリア採用であればスタート時点で階級が警部補になるため、ノンキャリアに比べて有利であることに間違いありません。

キャリア組は昇進スピードも早いとされているため、早期の年収アップも期待できるでしょう。

ただし、ノンキャリアの採用枠は年間1万5000人分ほどありますが、キャリアの採用枠は年間10人程度です。試験の難易度は高く、全国から優秀な応募者が殺到するため、キャリア組として働くには相応の努力と入念な対策が欠かせません。

地域手当が多い都道府県で採用される

地方公務員として都道府県警察への採用を目指す場合は、地域手当が多い自治体を選ぶのも一つの方法です。

警視庁の場合は、地域手当が基本給の20%付与されます。基本給が20万円であれば地域手当だけで4万円になり、地域手当が5%の自治体と比べると3万円の差がつきます。

地域手当の割合は月収や年収の差に直結するため、年収を上げたい場合は地域手当を基準に志望先を選んでもよいでしょう。

ただし、同じ都道府県だとしても、市町村によって地域手当の割合が異なるため注意が必要です。

公務員の仕事にについては「公務員の仕事内容とは?種類と職種別でご紹介!」も参考にしてください。

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警察官の年収を踏まえて就活を頑張りたいあなたへ

警察官の平均年収は720万円で、一般的な給与所得者に比べて年収は高いといえます。警察官も公務員の一種であるため、俸給表にしたがって着実に昇給していく点が大きな特徴です。

警察官を目指すには、国家公務員試験、または各自治体の警察官採用試験を受験して合格する必要があり、受験内容に合わせた対策が欠かせません。

警察官採用試験は面接もあるため、対策が不安に感じる人もいるでしょう。面接対策だけでなく、就職活動に関する不安や相談事がある場合は、就活エージェントの利用がおすすめです。

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