公務員浪人はリスク大?こじらせた末路や失敗を回避する方法などを解説

このページのまとめ

  • 公務員は倍率が高くなりやすく、浪人したからといって必ずしも合格する保証はない
  • 公務員浪人に失敗する人の特徴は、独善的で失敗の原因を改善しない人などが当てはまる
  • 公務員浪人するか迷うときは、行政機関でしか自分の目的を達成できないのか考えよう

公務員を目指したい!公務員浪人って得策なの?の画像

「公務員になりたいけれど、浪人するべきか」と悩む就活生も多いのではないでしょうか。公務員浪人して合格を目指すには、自己管理を徹底できるかや、失敗を積極的に改善できる性格かなどの見極めが重要です。

この記事では、公務員浪人のリスクや成功・失敗しやすい人の特徴などを詳しく解説します。最後まで読めば、公務員浪人をすべきかどうかの答えに近づけるでしょう。

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目 次

公務員浪人する前に押さえるべき合格者の割合や制限

公務員の採用試験は基本的に誰でも受けられますが、門戸が広い分定員に対して応募者も多くなり、通過するのは狭き門です。公務員浪人をしたからといって、必ずしも公務員になれる保証はありません。公務員浪人して就職を目指す場合は、現実的な視点を含めた状況の見極めも必要です。

ここでは、公務員浪人を選択する前に把握しておくべき実情について解説します。

公務員試験の倍率は最大10倍超の狭き門

人気のある自治体や公務員の職種は倍率も高く、10倍を超えるケースも少なくありません。たとえば、東京都が公表した「令和5年度東京都職員1類A、1類B採用試験の申込状況について」によると、直近2年間の倍率は以下のとおりです。

【1類A採用試験】

区分 令和5年度 令和4年度
事務 15.2倍 12.2倍
技術 2.7倍 3.6倍

【1類B採用試験(一般方式)】

区分 令和5年度 令和4年度
行政 4.7倍 6.9倍
技術 2.3倍 2.6倍
その他の職種 6.3倍 6.4倍

【1類B採用試験(新方式)】

区分 令和5年度 令和4年度
行政 3.2倍 6.6倍
技術 6.4倍 7.0倍

引用:東京都「令和5年度東京都職員1類A、1類B採用試験の申込状況について

公務員試験の受験者のなかには、現役の大学生はもちろん、数年にわたって浪人している人もいます。新卒の就職活動と比べて幅広い層のライバルと肩を並べることになり、簡単に合格できるとは限りません。

参照元
東京都
令和5年度東京都職員1類A、1類B採用試験の申込状況について

公務員浪人する場合は年齢制限にも注意

公務員試験は、種類別に年齢制限があるため、いつまでも受験できるわけではありません。東京都が公表している令和6年度の試験・選考情報において「1類B採用試験(一般方式)」の場合、29歳を上限としています。

また、39歳まで応募できる自治体もある一方、26歳を上限とする試験もあり、自分の目指す職種の年齢制限に注意が必要です。公務員浪人する場合はタイムリミットを意識し、限られた時間を有効に使いましょう。

公務員の年齢制限については、「公務員に年齢制限はある?受験資格や民間企業との併願のコツも解説」をご覧ください。

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公務員浪人に失敗した末路は?人生終了といわれる理由

公務員浪人に失敗した場合、ただ時間だけが過ぎてしまったり、今後の就職活動に支障が出たりするなど、人生の予定が崩れる可能性があります。状況によっては、「人生が終わった」と感じてしまう人もいるかもしれません。

ここでは、公務員浪人して就職できなかった場合に考えられる末路を解説します。

将来への絶望で心身に負担がかかる

公務員浪人に失敗した場合、心が不安定になり体調にも影響する恐れがあるでしょう。目標に向かって頑張ったにもかかわらず、公務員への就職が実現しなかった場合、燃え尽きてやる気が出なくなる可能性があります。

また、目標を見失い「この先どうすればよいのか」と不安になる場合もあるでしょう。自分の将来の見通しがつかず、過度な不安が続けば、体が思うように動かなくなるなどの支障が考えられます。

職歴なしの空白期間が残り就職活動に影響する

公務員浪人を繰り返した場合、職歴がなく、就職活動がうまく進まないこともあるでしょう。中途採用では、社会人経験者や募集している職種の経験者を求める傾向にあります。しかし、職歴がない場合、経験が乏しいと見なされ、なかなか採用につながらない可能性が高いです。

公務員浪人の期間についてしっかり説明できなければ、「何か問題があるのでは」と不安を覚える面接官もいるかもしれません。浪人期間が長いほど無職の期間も長くなり、大きな短所と見なされかねないので、公務員浪人は短期決戦がおすすめです。

公務員にこだわり過ぎて選択肢の視野が狭くなる

公務員にこだわり過ぎると、失敗しても民間企業を選択できないケースもあります。公務員を目指す就活生のなかには、「公務員は民間企業より偉い」と思っている人もいるでしょう。その場合、公務員受験に失敗してもプライドが邪魔して、民間企業を選べない可能性があります。

現実を受け入れられず、視野を広げたり短所を見直したりするなどの行動もしないまま、就職活動から離れてフリーターやニートになる人もいるでしょう。特に、自己分析で「プライドが高い」といった結果が出た人は要注意です。

実際には、民間企業の中にも自分の強みや性格を活かせる企業はあります。公務員を目指すという志は保ちつつ、視野を広くして将来の可能性を狭めないようにしましょう。

多浪すると年齢的に就職が難しくなる

何年も公務員浪人を続けた場合、見切りをつけて民間企業を目指そうとしても、年齢的に就職が難しくなる恐れがあります。年齢に関する採用条件は変わり始めていますが、日本では終身雇用の歴史もあり、依然として若い人を採用したい企業も多いのが現状です。

公務員は30代後半まで受けられる試験もあるため、「まだチャンスはある」と長期間にわたって浪人する人もいるでしょう。しかし、社会人経験がない場合は年齢の高さがネックになり、いざ民間企業に就職しようとした際につまづいてしまう可能性があるのです。

浪人期間をアピールする方法について知りたい人は、「浪人は就職に不利?浪人経験を活かして就職活動を成功させる方法を解説!」をご覧ください。

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既卒で公務員浪人する4つのメリット

公務員浪人を選択した場合、「勉強時間が増える」「受験を有利に進められる」などのメリットがあります。メリットを活かせれば、公務員試験に向けて入念に対策でき、合格にも近づけるでしょう。

ここでは、公務員浪人の道を選んだ場合のメリットを4つ解説します。

1.勉強時間を確保しやすい

試験を突破するための勉強時間を確保しやすいことが、公務員浪人するメリットの1つです。公務員試験の内容は自治体や職種によって異なりますが、一般的には以下のような試験が行われます。

・適性検査
・筆記試験
・論文
・個人や集団面接
・グループディスカッション など

筆記試験は一般教養のほか、受験する試験によっては法律科目も出題されるため、対策する項目が多いのも特徴です。大学時代は単位の取得やゼミへの出席などで、公務員試験にかける時間を確保しにくかった人もいるでしょう。

公務員浪人すれば時間の余裕が生まれ、試験対策も十分できると考えられます。試験対策について詳しく知りたい人は、「公務員試験合格に必要な勉強時間は?出題内容や試験対策のコツを解説」を参考にしてください。

2.受験経験があり有利にスタートできる

浪人生は公務員試験を一度経験しているため、初めて受験する人よりも有利な立場です。浪人生は出題科目を一通り勉強しており、「知識の貯金がある」状態といえます。

また、試験の流れや会場の雰囲気も味わっているため、緊張感にも少なからず慣れているでしょう。そのため、受験の際はほかの受験生より有利な位置でスタートラインを切れます。
 

3.「次こそは合格する」と気合いが入る

公務員浪人した場合、来年度の受験に対する意欲を高められる点もメリットです。浪人期間は試験対策にしっかり向き合え、志望先の魅力や情報に触れる機会も増えます。公務員への志望度がより高くなり、「絶対に就職する」と気合いを入れられるでしょう。

また、浪人したことで適度な緊張感を持てれば、勉強への集中力が増す可能性もあります。緊張感をうまくコントロールして意欲を継続できれば、合格に近づけるでしょう。

4.平等な受験機会が用意されている

公務員試験は誰もが平等に受けられるため、公務員浪人しても受験するメリットはあります。試験区分によって、新卒・浪人生や、民間企業からの転職に関係なく、出題内容が統一されているからです。

また、近年は受験のハードルを下げて広く人材を集めるために、一般的な筆記試験を行わないケースも増えています。ただし、その場合はライバルが増えたり、面接の回数が多くなったりするなども想定できるので、受験資格や要項をしっかり確認して対策しましょう。

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公務員浪人はやばい?6つのデメリット

公務員浪人はメリットがある一方、精神的な負担が強くなる場合や、目的を見失いやすいといったデメリットもあります。公務員浪人するか選ぶ前に、メリット・デメリットの両方を把握しておくことが重要です。

ここでは、公務員浪人すると起こり得るデメリットを6つ解説します。

1.アルバイトが忙しく勉強時間を確保できない

公務員浪人するデメリットとして、アルバイトをする場合、勉強との両立が難しくなる可能性があるでしょう。1人暮らしの場合は生活費の確保が欠かせません。また、予備校や通信講座を利用する際も費用がかかります。

目標金額によってはアルバイトの勤務時間も増えやすく、試験対策にかける時間が減るのはもちろん、仕事内容によっては体力を消耗してしまい、勉強する気力が湧かない場合もあるかもしれません。

試験対策に取り組めなければ、せっかく浪人しても公務員試験に落ちる恐れがあります。貴重な1年間をアルバイトに費やす結果となってしまい、本来強みとなるはずの潤沢な時間を活用できず、浪人したことを後悔しかねません。

浪人中にアルバイトを考えている場合は、本末転倒にならないためにも、勉強時間を十分持てる環境の確保を優先させましょう。

2.精神的なプレッシャーが大きく不安に駆られる

浪人生は新卒カードを捨てて公務員を目指すため、精神的なプレッシャーが高まります。大学の同級生が社会で活躍している間に、公務員浪人は黙々と勉強しなければなりません。また、親からの「本当に大丈夫なのだろうか」といった目線が気になる場合もあるでしょう。

性格によっては「後がない」と追い立てられるような気持ちになり、心に負担がかかる恐れもあります。プレッシャーに耐えて浪人期間を過ごせるかどうか、自分自身とよく向き合うことが大切です。

公務員試験に向けて取り組むなかで、ストレスを感じることもあるでしょう。「就活ストレスがやばいときはどうする?限界になる理由や対処法を解説」では、ストレスを抱える原因や対処法を紹介しているので、ぜひご覧ください。

3.モチベーションの維持が難しく勉強に身が入らない

公務員浪人のデメリットとして、モチベーションが維持できず勉強に身が入らない恐れがあります。長期にわたって勉強に取り組むため、「なぜ苦しい思いをしてまで浪人しているのか」「就職後に自分の強みを活かせるのか」など、公務員を目指す理由が分からなくなり、勉強を投げ出してしまう可能性もあるでしょう。

特に、公務員になる動機が曖昧な場合は、軸がぶれやすいので注意してください。途中で挫折し後悔しないためにも、公務員になりたい理由や目的を明確に設定し、言語化しておくのがおすすめです。

4.合格すれば一発逆転できると思い込んでしまう

「自分は公務員にさえなれば、人生を逆転できる」と思い込んでしまうことも、公務員浪人のデメリットになり得ます。公務員浪人になると、身近な同級生が社会人として働き始めるのを見て、焦ってしまう人も多いでしょう。焦りを解消するために、自分を肯定するための理由づけをしてしまうケースがあるのです。

また、自分の学歴にコンプレックスがある就活生も「民間企業よりレベルの高い公務員になって一発逆転したい」と思ってしまう傾向にあります。何をもって一発逆転とするかにもよりますが、どのような職業でも「ここに就職できれば全てが上手くいく」というわけではありません。

仕事ごとに異なる役割があり、苦労や大変さもそれぞれなので「公務員は民間企業より優位」といった勘違いをしないように注意しましょう。

5.公務員浪人をこじらせて目的を見失ってしまう

目的が「合格すること」にすり替わってしまいがちな点も、公務員浪人を続けるデメリットです。公務員試験は積み重ねのため、「ここまで頑張ったのに、今さら進路は変えられない」と思うこともあるでしょう。その場合、公務員として働くことよりも、合格を目的に行動しかねません。

また、途中でやめられないという気持ちから、実は公務員に向いていないのに浪人を続けてしまう恐れもあります。目先のことばかり追っていると視野が狭くなり、本当に必要なことを見失うため注意が必要です。

6.生涯年収が減ってしまう

働き始めるタイミングが遅いほど、基本的に生涯年収は下がります。インセンティブで稼げる営業職などに入社し、強みを活かして努力すれば、大きな収入を得る可能性はあるでしょう。

一方、公務員にインセンティブはなく、基本的に年功序列で給与が上がっていくため、浪人した期間分の収入は取り返せません。

また、新卒で入庁した人と比べて、未経験の場合は初任給に大きな差はありませんが、公務員浪人した期間分、昇進が遅くなりやすい点も生涯年収に影響します。

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公務員浪人についてのキャリアアドバイザーのアドバイス

公務員浪人を経て就活を行う場合、基本的には既卒扱いになります。
既卒扱いだと中途採用と同じ観点のスキル採用になると思われがちですが、実は厚生労働省が卒業3年以内の既卒を新卒枠で応募受付するよう、企業側に要請しています。なので、卒業して3年以内なら新卒と同じように扱われる可能性が高いということです。

ですが、実際のところ、公務員浪人を経て大学卒業から就職をするまでの空白期間がある方と、ブランクのない新卒を同じ基準では見てもらえないのも事実。
ここで大切なのが、「なぜ公務員から民間に切り替えたのか」をどれだけ言語化できているか。「落ちてしまったから仕方なく民間を受けている」という伝え方では、就職や企業に対する熱意や意欲が伝わらないためNGです。
「公務員の働き方もみたうえで、民間企業のこんな働き方が自分にあっていそうだと思ったから切り替えて受けている」など、プラスの印象を与える受け答えができるよう準備しておきましょう。

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公務員浪人で成功する人の5つの特徴

浪人して公務員になれる人には、「失敗をもとに改善できる」「モチベーションが高い」といった特徴があります。公務員浪人はリスクがありますが、浪人を経て公務員になる人も少なくありません。

ここでは、公務員浪人から公務員への就職に成功する人の特徴を5つ解説します。

1.過去の失敗から自分の弱みを改善できる

過去の公務員試験の失敗から自分の弱みを改善できる人は、公務員浪人を経て成功する可能性が高いです。たとえば、筆記試験の対策では、間違えた問題を繰り返し解き、解答のプロセスを学ぶことが欠かせません。

また、受験前の過ごし方や自己管理が原因で失敗したのであれば、次回はどのようにすれば回避できるかを考えます。自分で原因を掴めない場合は、第三者からのアドバイスを素直に受け入れるのも改善への近道です。

前回の受験に失敗した原因をもとに、間違いを素直に認めて柔軟に変化できる人は、公務員浪人を経て成長できるでしょう。

2.自己管理能力が高くスケジュール通りに勉強できる

公務員試験に合格する人は、スケジュール通りに毎日一定の勉強時間をキープできる傾向があります。スケジュール通りに行動するには、一度決めたノルマは完遂するといった意思の強さが必要です。

浪人中は、仲のよい友人から遊びに誘われたり、勉強を続けるうちに「今日はやめておこうかな」と気分でスケジュールを変更したりする場合もあるかもしれません。

友人との交流やリフレッシュする時間も大切ですが、必要以上に勉強時間を削ると、公務員になるという目標が遠のいてしまいます。状況に合わせて友人からの誘いを断るなど、自分をコントロールすることが重要です。

3.明確な志望理由がありモチベーションが高い

公務員を目指す理由が明確な人も、モチベーションが高いため成功しやすいでしょう。「公務員になったら実現したいこと」をベースに行動するため、勉強以外の活動にも熱心な傾向にあります。

たとえば、現場を知るために役所でアルバイトをしたり、市民ボランティアを通して自分のなかに住民目線を取り込んだりする人も少なくありません。夢の実現に向けた行動は、モチベーションの維持はもちろん、面接でのアピールにも役立つでしょう。

公務員試験で活用できる志望動機の作成ポイントについては、「公務員になりたい理由の書き方は?考える際のポイントや例文を解説!」を参考にしてください。

4.公務員試験や仕事に対して必要な情報を集められる

試験や志望先についての情報を的確に集められるのも、公務員浪人から公務員への就職に成功する人の特徴です。公務員の採用試験を受ける際、自治体ごとに受験要項や試験内容などは異なります。

リサーチできていない場合、自分の受けたい試験を逃がしてしまったり、対策不足で点数が不足したりしかねません。そのため、公務員浪人を経て試験を突破するためには、自分に必要な情報を素早く適切に集め、効果的な対策を講じることが重要です。

5.面接対策を万全に行っている

公務員浪人から公務員に採用される人は、面接対策も欠かさず行っています。近年は人柄を重視した採用試験も増えており、筆記試験への対策ばかりに注力して、面接対策をおろそかにしては合格できません。

公務員は公共の利益を高めようとする人が求められ、民間企業の面接とは異なる質問が予想されるため、入念な対策が必要です。面接で聞かれる質問に対して、どのように答えれば高評価につながるかなどを考え回答を準備しましょう。

ただし、面接での答え方や仕草の癖などは、自分でも分からないかもしれません。模擬面接を受けられるセミナーなどに参加すると、さらに合格率は高まるでしょう。

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公務員浪人に失敗しやすい人の5つの特徴

公務員浪人で失敗する人には、「自己管理力が低い」「状況を客観的に見ない」といった特徴があります。自分の性格に当てはまらないか、公務員浪人を決める前に確認しておきましょう。

ここでは、公務員浪人から公務員への就職に失敗しやすい人の特徴を5つ解説します。

1.自己管理能力が低く自分に甘い

勉強スケジュールやモチベーションを保てないなど、自己管理できない場合は、公務員への就職に失敗しやすいでしょう。「アルバイトの日は何もしたくない」「友人の誘いは必ず乗る」などと考える人は、浪人中も生活スタイルを変えない可能性があり、公務員浪人しても十分に勉強しない傾向にあります。

自覚のある人は、勉強できる環境を意識的に整えることが重要です。カフェで勉強したり、オンライン講座を受講したりして、勉強せざるを得ない時間を作りましょう。

2.ひとりよがりで客観性に欠ける

自分の利益を優先し、客観的な視点で行動ができない人は、成長が難しく公務員浪人しても失敗する恐れがあります。公務員は国民に行政サービスを提供する立場のため、柔軟性や協調的な対応が欠かせません。

自分の考えに固執する人は、一次試験は通過しても、二次以降の面接で不合格になる可能性が高いでしょう。頑固な面があると自覚している人は、予備校や個人指導を行う講師を探して、客観的なアドバイスを求めるのがおすすめです。

3.公務員試験に落ちた理由を考えない

試験に落ちた理由を分析しない場合も、公務員への就職に成功しない人の特徴として挙げられます。「今年は例年に比べて難易度が上がっていたから」「たまたま倍率が高かったから」などと、不合格の事実に対して自分に都合のよい理由を考えてしまうと、改善しないまま翌年の試験を受けかねません。

公務員浪人から採用されるためには、「来年はもっと勉強時間を確保する」「自分は△△の分野が苦手だから重点的に勉強する」など、自分の行動を見つめ直して前向きに改善することが重要です。足りなかった部分を補ったり、認識を改めたりする努力をすれば、公務員試験の合格に近づけるでしょう。

4.明確な目的がなく志望動機が弱い

明確な志望動機がない人は、公務員浪人で失敗する可能性が高いです。「公務員は安定しているから」「性格に合っていると親が勧めたから」といった曖昧な理由では、アピール力の高い志望動機は作れません。

たとえ聞こえのよい志望動機を作っても、内容の薄さは面接官に伝わるでしょう。筆記試験でいくらよい点数をとっても、面接で志望動機や性格が高く評価されなければ不合格となってしまいます。

浪人する場合は、「なぜ公務員になりたいのか」を掘り下げて考え、明確な目標のもとに勉強するのが重要です。

5.周囲の目が気になり勉強に集中できない

公務員浪人で失敗する人の特徴として、周囲の目線を気にし過ぎて、自分のやるべきことに集中できないケースも挙げられます。「自分が軽視されるのではないか」「浪人して親に申し訳ない」など、人によってさまざまな葛藤を抱えているでしょう。

他人の目線を意識して自分を律する場合もありますが、明確な動機を持って公務員を目指すなら、筆記試験や面接といった対策への集中が欠かせません。あくまでも、自分の未来のために浪人していることを忘れないようにしましょう。

公務員への道を諦めた場合の選択肢について知りたい人は、「公務員試験に失敗したら?その後の選択肢をご紹介」もあわせてご覧ください。

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公務員浪人するか迷ったときの対処法

公務員浪人になるかや、継続するかどうか迷った際は「自己分析を改めて行う」「臨時職員として働く」などを検討してみてください。ここでは、公務員浪人するべきか悩んだときの対策について解説します。

自己分析を改めて行い自己理解を深める

公務員浪人になるか検討する場合、改めて自己分析を行い、自分の性格が浪人生としての生活に向いているか確認するのがおすすめです。浪人した際、「脇目も振らずに突き進める性格」「先が見えない不安定さは苦手」など、性格によって過ごし方や勉強への集中力は変わります。

浪人すると、金銭面などの問題は少なからず発生するでしょう。自己分析で、自分がどのような環境であれば快適に勉強できるか把握すれば、浪人するかどうか決められるはずです。

自己分析にはさまざまな種類があるため、自分に合った方法を選びましょう。具体的な方法は「自己分析シート作成で抑えるべきコツ|書き方のパターン・注意点も解説!」で解説しているので参考にしてください。

公務員でなければならない理由を考える

公務員浪人になるかで迷ったときは、「公務員にならなければ自分の目標は実現しないのか」を考えてみましょう。たとえば、自分の目標が「地元の人の役に立ちたい」だった場合、貢献したい内容によっては地方銀行や商工会議所などの機関でも達成できるかもしれません。

また、民間企業にも地域貢献を掲げている会社は多くあります。複数の候補を検討して公務員を目指したいと思えたなら、公務員浪人してもモチベーションを維持できて、成功につながりやすいでしょう。

公務員の臨時職員として働き適性を見る

公務員浪人を継続するかどうか迷うときは、自治体や行政機関の臨時職員として働いてみるのもおすすめです。臨時職員とは、半年間などの期間限定で、事務補助など職員のサポート役として働く採用区分を指し、正式には臨時的任用職員といいます。

公務員を目指す人のなかには、「浪人を続けてまで公務員を目指すべきか」と悩む人もいるでしょう。現場を経験すれば、「必ず公務員になる」という決意が強化されたり、「自分には向いていない」と判明したりする可能性があります。

臨時職員を経て公務員試験を受けると、実務を経験しているため面接で有利になりやすい一方、勉強時間は減ってしまうので注意が必要です。なお、行政機関によっては既卒や社会人向けにインターンシップを開催している場合があるため、調べてみるのもよいでしょう。

社会人経験者の募集枠も視野に入れる

行政機関によっては、社会人経験者の採用枠を設けている場合があります。年齢制限は比較的高いケースが多く、社会の多様化に伴う行政課題などを解決するために、民間企業の経験者を受け入れるのがおもな目的です。

いったん公務員への道を諦めたとしても、民間企業で培った技術や知識を持って転職できます。通常の採用試験と比べて募集枠は少ない傾向にありますが、経験を活かせる職種に応募すれば、採用の可能性は高まるでしょう。

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公務員浪人から民間企業への就職に切り替える方法

公務員志望から民間企業への就職を目指す場合は、携わりたい仕事を探したり、通年採用している企業を見つけたりするのが大切です。ここでは、公務員浪人せず民間企業への就職に切り替える方法について解説します。

業界や企業研究でやってみたい仕事を探す

まずは、業界研究や企業研究で自分が携わりたい仕事を探しましょう。公務員受験や就職活動で行った自己分析を活用すれば、自分に向いている仕事や勤務環境が分かるはずです。なんとなく就職先を見つけて採用されても、自分に合わない勤務環境ではモチベーションが上がらず、早期退職にもつながりかねません。

また、前述のように、民間企業から公務員への転職もできるため「いったん民間企業に就職しよう」と考える人もいるでしょう。採用には、志望動機や会社に貢献する意思が求められるので、業界や企業についての理解は必須です。

公務員志望から気持ちを切り替えて前向きに進むためにも、入念に業界・企業研究を行い、働くモチベーションを上げましょう。

公務員と民間企業の仕事内容などを比較したい人は、「民間企業と公務員の違いは何?特徴や仕事内容をご紹介!」をご覧ください。

通年採用や新卒枠で選考を受けられる企業を探す

公務員浪人せずに民間企業に就職する場合、通年採用や新卒採用の募集枠に応募できる企業を探してみるのも1つの方法です。厚生労働省が公表した「若者の募集・採用等に関する指針(2p)」によると、大学を卒業してから3年以内の既卒者について、新卒枠で応募受付するよう企業側に要請しています。

いったん公務員浪人を選んだ後に、家庭や金銭面といったさまざまな事情で諦めざるを得ない人もいるかもしれません。大学を卒業して3年以内の人は、新卒の就活生と同じ採用選考を受けられる企業であれば、社会人経験の有無で不利にはならないでしょう。

「3年まで」などあらかじめ期限を決めて浪人し、失敗した場合は民間への就職に切り替える方法もあるため、自分の状況に合わせて進路を決めるのがおすすめです。

参照元
厚生労働省
青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について

空白期間の理由を面接で答えられるようにする

公務員志望から民間企業に切り替える際は、就職活動や働いていなかった空白期間について、しっかり説明できるよう準備しておきましょう。公務員浪人しないと決めた時期によっては、新卒の就活期間が残り僅かな場合もあるかもしれません。

その際、なぜ今まで就職活動をしていなかったのかと問われる可能性があります。また、浪人後に進路変更する場合も、経歴の空白期間に何をしていたのかと質問される確率は高いです。

公務員を目指していたなかで民間企業に切り替えた理由を踏まえて、説得力のある回答ができるよう準備しておきましょう。

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公務員浪人を経験した人のよくある意見

公務員浪人を経験した人のなかには、「モチベーションの維持が困難」「周囲と比べて焦る」などの悩みを抱えているケースがあります。公務員浪人を選んだ人が実際にどのようなことで悩んだのかについて、よくある事例をまとめました。

公務員になるモチベーションの維持が難しい

公務員浪人した際、試験合格へのやる気を維持するのが難しいという意見は以下のとおりです。

自己分析をした結果、「真面目でコツコツ努力できる性格。短所は臨機応変な対応が苦手なところなので、ルーティンワークの職場があっている」と出たので、公務員が向いているのではないかと思い、公務員試験の勉強を始めました。

しかし、それほど強い志望動機もなかったためモチベーションが上がらず、不合格に。そこから就活生として民間企業に就職するのも大変だろうと思い、なんとなく公務員浪人を決めてしまいました。

志があるわけではないため、モチベーションが続かず勉強に身が入りません。毎日、なんとなく机に向かう日々が続いており辛いです。

自分の性格に合っているかは就職先を選ぶ大切なポイントですが、仕事への興味関心を持てているかどうかも欠かせません。公務員浪人になる前に、改めて自分の意思を確認しておきましょう。

周りを見ると焦ってしまう

公務員浪人を続けるなかで、以下のように同級生と比較し自信を失うケースもあります。

公務員浪人が4年目に突入しました。同級生たちは後輩もできて、自分だけが置いていかれているという焦りを感じます。

不合格が続くたびに「もう自分は公務員になれないのではないか」と思いますが、ここまで来ると改めて自己分析などをして、就活生として民間企業の面接を受ける気にもなれません。

自分の長所を活かした場所で働きたいと思いつつ、にっちもさっちも行かない状態で、気持ちが追い込まれます。

公務員試験になかなか受からず自信を無くしてしまうと、視野が狭くなりがちです。公務員浪人で悩んだ際は、一度リフレッシュする時間を持つなどして、自分の状況や本心を客観的に見つめるとよいでしょう。

民間企業に就職して諦めがついた

公務員から民間企業への就職に転向した人の意見は以下のとおりです。

現役時代に不合格だったので1年だけ公務員浪人をしましたが、また不合格だったので気持ちを切り替え民間企業に就職しました。

仕事で辛いことがあったり、SNSで友達のキラキラした生活を見たりすると、「あのとき受かっていたら」と思うこともありますが、だんだん諦めもつきました。

仕事ができるようになるにつれて面白さも分かってきたので、このまま自分の長所を活かして今の会社で頑張りたいと思います。

公務員試験に失敗して民間企業に就職しても、その仕事だからこそ得られる経験や楽しさがあります。前を向いて仕事に取り組めば、やりがいも感じられるでしょう。

公務員を目指し続けるか、民間企業に転向するかでどうしても悩む場合は、「【就活お悩み相談室 #6】公務員を目指すか民間企業に就職するか迷っています」に実際の悩みに対するアドバイスを掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

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公務員浪人のリスクを考えて進路に悩んでいるあなたへ

公務員浪人は決して楽な道ではなく、むしろ就活生として民間企業の選考を受けるよりも大変かもしれません。「△△だから絶対に公務員になりたい」という強い気持ちがあり、自己分析などを通して自分の強みや長所、性格が公務員に向いていると思えば、浪人して再チャレンジしてもよいでしょう。

しかし、強い意志や理由がないのであれば、民間企業への就職も検討してみてください。職業はあくまでも人生を生きるための手段であって、目的ではありません。自分の長所を活かしてよりよい未来を手に入れるためのルートは、公務員以外にもきっとあるはずです。

「公務員浪人をしようか悩んでいる」「誰かに相談に乗ってほしい」と不安な就活生は、就活エージェントであるキャリアチケットの利用がおすすめです。公務員への就職サポートはもちろん、専任のキャリアアドバイザーが就職活動の課題を一緒に見つけ、どのようにすれば最適な仕事に就けるかや、後悔のない選択ができるかを一人ひとりに寄り添って考えます。

公務員浪人すべきかどうかや、進路の方向性に悩んだときは、ぜひキャリアチケットをご利用ください。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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