内定辞退は電話でしよう!掛け方のコツを例文付きで紹介

このページのまとめ

  • 内定辞退の連絡はメールよりも電話で行うべき
  • 内定辞退は企業も想定しており、問題ない
  • 内定辞退の電話では、ポジティブな理由で、簡潔に内容を伝えるようにする

「他社に入社を決めたんだけど、内定辞退はどう伝えればいいの?」

「電話を掛けるべきと聞いたけど、怒られそうで怖い」

他社への入社や就活継続を理由に内定を辞退する場合、どうすればいいのか分からずに不安を感じることも多いでしょう。

この記事では、内定辞退のための電話のポイントや注意点を、例文付きで紹介していきます。

しっかりとマナーも押さえ、相手に失礼なく、トラブルも起こさないような内定辞退を目指しましょう。

内定辞退電話の話し方を相談したい

   
目 次

内定辞退は電話で行うのがマナー

内定を辞退する時の連絡手段は電話が基本です。辞退を決意したらできるだけ早く電話で伝えるようにしてください。

電話で伝えることに対し「気まずい雰囲気になりそう」「相手企業から引止めにあうかもしれない」など、さまざまな懸念を抱く人も多く、できればメールや手紙で済ませたいという意見は少なからずあるようです。

しかし、メールの場合、相手からの返事が届くまで確実に伝わったかどうか分からないため、自分は連絡したつもりだったのに、企業側から「連絡がきていない」などと言われてトラブルになる恐れもあります。

最短で確実に伝える手段だと考えれば、内定辞退は電話で直接伝えるのが望ましいです。

また、内定辞退者の中には、入社日まで電話もメールもしない人もいます。このような「ドタキャン」は避けるべきです。

企業は、例年の状況などからある程度の内定辞退者が出ることを予想しているものですが、無断辞退は相手企業に大変な迷惑を掛けるリスクがあります。

ドタキャンで損害賠償を請求される可能性もあれば、トラブルを抱えたまま別の企業へ入社した場合は就職した企業への迷惑になることも考えられます。

「他の企業に決まったから関係ない」ということにはなりませんので、ドタキャンは避け、礼儀をわきまえた振る舞いを心がけましょう。

内定辞退をするための電話の掛け方についてより詳しく知りたい方は「内定辞退はメールで伝えても大丈夫?送る内容や送信時のマナーについて解説のイメージ」を参考にしてください。

内定辞退電話の話し方を相談したい

 

内定辞退の電話は怖い?問題がない3つの理由

内定辞退の電話について、「掛けるのが怖い」と感じる就活生も多いでしょう。相手へ気づかいやトラブルへの不安など、理由はさまざまです。

しかし、内定を辞退すること自体は全く問題ありません。ここでは、内定辞退の電話を少しでも気楽に掛けられるよう、内定辞退に問題がない理由を3つご紹介します。

企業は内定辞退を想定している

多くの就活生が内定辞退に不安を感じる理由の一つに、「企業に迷惑を掛けるのではないか」という思いがあります。しかし、実際には多くの企業は内定辞退の可能性をあらかじめ想定しており、内定辞退への対応も決まっていることがほとんどです。

企業は、例年の内定辞退率などからある程度内定辞退者が出ることを予測し、採用予定人数よりも多くの就活生に内定を出すなどの対応をしています。

もちろん、内定辞退をすることによって事務的な迷惑を掛けることはありますが、企業に大きなダメージを与えるようなことはほとんどないと言えます。むしろ、内定辞退を早期に、礼儀正しく伝えられたほうが、企業としての負担は少なくすみます。

内定辞退は法的に保証されている

内定辞退をすることで、企業側に裁判を起こされたり、損害賠償を請求されたりしないか心配な人もいるでしょう。しかし、内定辞退は法的に保証されているため、よほどのことがない限り、企業から訴えられるケースは少ないとされています。

民法」では、第627条第1項で、雇用期間に取り決めがなかった場合、「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められています。

就活のケースでいえば、内定を一度承諾した時点で企業との雇用契約が始まり、その「解約」が「内定辞退」です。つまり、内定辞退の連絡をしてから2週間後には、企業との労働関係が終わり、入社する義務がなくなります。

ただし、内定辞退を悪質な方法で行った場合は、裁判などの法的措置をとられてしまう可能性もあります。余計なトラブルを抱えないためにも、速やかに、丁寧に内定辞退を伝えるようにしましょう。

内定承諾書を提出した後でも辞退できる

内定が出た後、「内定承諾書」という書類を提出するケースも多く、提出後の内定辞退をためらう人もいるでしょう。一般的に「内定承諾書」を取り交わした時点で企業との契約は始まりますが、内定辞退をする権利も保証されています。

前項でも説明した通り、「民法」第627条第1項には、雇用期間に取り決めがなかった場合、「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められています。

内定辞退は、民法でいう「解約」です。法律上、内定辞退を伝えてから2週間経てば、企業との関係は消滅すると考えられます。

民法にこのような規定があるため、内定承諾書を出した後に内定辞退することは全く問題ないといえます。

内定辞退ができるタイミングなど、法的なルールを詳しく知りたい方は「内定辞退はいつまでできる?新卒向けに法的ルールや伝え方のマナーを解説」を参考にしてください。

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内定辞退の電話を掛けるべき時間帯

内定辞退の電話をする時は、社会人としてのマナーを守る必要があります。

先方の仕事に影響が出にくい時間帯に電話を掛けることもそのマナーの一つです。内定辞退の電話は、営業時間内で、12時~14時を除く、営業開始30分後から就業時間30分前までの時間帯が好ましいです。

その理由を、詳しく説明します。

前提として、営業時間内に掛けるのは基本中の基本です。営業時間外に掛けてしまうと、担当者が不在の場合や残業で忙しくしている可能性があります。

営業時間内の場合でも、始業30分間と終業30分前までは避けたほうが無難です。1日の中で始業開始直後はメールのチェックやその日の業務確認などで忙しく、終業時間前は業務の追い込みやまとめを行っている場合があり、迷惑になる可能性があります。

企業によって異なりますが、12時~14時頃に昼休憩を取る人が多く、この時間帯もあまり電話連絡に適していません。

もちろん、あらかじめ〇時~〇時に掛けるようにとの指定がある場合は、その時間に掛けましょう。

指定がない場合は、営業時間の前後30分間と、昼休憩の可能性がある12~14時を避けるのがマナーです。

就活では、内定辞退以外にも企業に電話をする場面が多々あります。その際のマナーについて詳しく知りたい方は「就活の電話はどう話す?基本的なマナーや苦手を克服する方法について解説」を参考にしてください。

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内定辞退の電話を掛ける時のポイント

内定辞退の電話を掛ける際には、気をつけたいポイントがいくつかあります。ここでは、特に気をつけたい3つのポイントを紹介します。

ポジティブな理由にする

内定辞退の理由を伝える際には、ポジティブな伝え方をするように心がけましょう。

辞退する旨を伝える際に、はじめから詳しい理由を伝える必要はありません。しかし、相手企業から問われた場合は、可能な範囲で答えるのがマナーです。

理由を伝える際は、「希望していた勤務地での仕事に決めた」「やりたい職種に就けることになった」など、できるだけポジティブな理由にします。「給与が少ないから」「職場の雰囲気が悪いから」といったネガティブな理由は、失礼になるので避けましょう。

シンプルに用件を伝える

内定辞退の意志は、明確かつ簡潔に伝えましょう。長々とした説明は相手の時間を奪うだけではなく、内定辞退の意志を汲み取ってもらいにくくなってしまう可能性があります。

なるべく簡潔に辞退の意志とその理由をシンプルに伝えることが大切です。内定辞退の意志、その理由、内定に至るまでの選考でお世話になったことの感謝などを伝えましょう。

感謝と謝罪を伝える

選考でお世話になったことはもちろん、せっかく採用の判断をしてくれた企業(採用担当者)に対し感謝やお詫びの気持ちを伝えましょう。

言葉遣いや態度に気をつけて、丁寧に気持ちを伝えることが重要です。

「このような機会をいただき、誠にありがとうございました」「御社からの内定のおかげで、自分に自信を持つことができました。入社がかなわず、申し訳ございませんでした」などといった表現ができればスマートです。

企業に電話を掛ける際には、当然ビジネスマナーを守った会話をする必要があります。特に注意したいのが、敬語です。敬語に自信のない方は「あなたの話し方は大丈夫?就活に必要な言葉遣いとは」を参考にしてください。

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内定辞退の電話のトーク例文

内定辞退の電話をする際に、前もってトーク内容をイメージしておくと気が楽になります。

以下、電話を掛ける際の例文を紹介します。

自分:「〇〇大学〇〇学科の〇〇と申します。人事部(採用担当)の〇〇さんはいらっしゃいますでしょうか?」

企業の人:「少々お待ちください。」

採用担当者:「お電話かわりました。人事部の〇〇です。」

自分:「お世話になっております。〇〇大学〇〇学科の〇〇と申します。ただ今お時間よろしいでしょうか?」

採用担当者:「大丈夫です。」

自分:「ありがとうございます。先日は内定をいただきありがとうございました。その後検討しまして、御社の内定を辞退させていただきたくお電話いたしました。大変お世話になったにもかかわらず、このようなご連絡になり誠に申し訳ございません。」

採用担当者:「分かりました。辞退理由はどういったものでしょうか?」

自分:「実は、御社と平行して選考を受けていた企業から内定を貰い、そちらに入社することに決めました。御社には非常に魅力を感じており、とても悩みましたが、将来を考え、より自分の希望に近い仕事ができる企業を選びました。」

採用担当者:「分かりました。仕方ないですね。」

自分:「選考中はたくさんの時間を割いていただき、ありがとうございました。このように迷惑を掛けることになってしまい、大変申し訳ございませんでした。それでは、失礼いたします。」

担当者によっては辞退理由を聞かない人や詳しく質問する人もいます。緊張しがちな人は、あらかじめメモを用意し、聞かれそうな内容に対する答えをまとめておくとよいです。

企業の採用担当者に電話を掛ける際の基本的な流れを確認したい方は「電話マナーはOK?就活で気をつけたいポイント」を参考にしてください。

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内定辞退をメールで行う時のポイント

内定辞退を伝える連絡としては好ましくないものの、どうしても電話ができない場合はメールでの連絡も選択肢に入ります。

メールで内定辞退の連絡をする際は、次に紹介する3つのポイントに注意しましょう。

タイトルと中身を分かりやすくする

メールで内定辞退を行う場合、タイトルは明確にしましょう。

例えば、「内定辞退のご連絡」とすることで、メールの目的を一目で理解してもらえます。

メールの本文では、最初に感謝の意を表し、その後で辞退の旨を伝えることが重要です。内容は簡潔に、必要な情報はしっかりと伝えるように心がけましょう。

内定辞退の理由を伝える

電話の場合と同じく、辞退の理由はポジティブな表現を用いて伝えます。

具体的な理由を簡潔に説明することで、企業側も状況を理解しやすくなります。「平行して受けていた別の企業へ入社を決めた」「よりやりたいと感じる仕事とのご縁ができた」など、企業をおとしめるような表現はNGです。

相手からの返信を確認する

内定辞退のメールを送信した後は、企業側からの返信を確認しましょう。

返信には、辞退の受理確認や、場合によっては追加の手続きに関する指示が含まれることがあります。

企業からの返信がなかった場合は、電話でメールを送ったことを伝えたほうがトラブルを避けられるでしょう。仮に採用担当者がメールに気づかず、内定辞退の手続きが進まない状態で入社日を迎えた場合、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

メールをチェックするのは企業や採用担当者側の責任ですが、メールを送っただけではなく、きちんと相手に届いたか確認をしたほうがリスク管理上安心できるでしょう。

ビジネス上のメールのやりとりは、SNSとは違い、マナーや節度を守った文章を書くことが求められます。基本的なマナーについて知りたい方は「就活メールの正しい書き方は?基本のマナーと構成のポイント」を参考にしてください。

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内定辞退のメール例文

内定辞退をメールで伝える際の例文を紹介します。

件名:内定辞退のご連絡

◯◯(担当者の名前)様

お世話になっております。〇〇大学の〇〇(あなたの名前)です。
先日は、貴社から内定のご連絡を賜り、心より感謝申し上げます。

深く悩み、熟考した結果、この度内定を辞退させていただく決断をいたしました。
貴社で学び、共に成長できる機会をいただき、大変光栄に思います。このような決断をするに至ったこと、心苦しく思います。

この度は、私にとって非常に価値ある機会を提供していただき、ありがとうございました。
貴社の今後の一層の発展を心からお祈りしております。

何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

〇〇(あなたの名前)
〇〇(連絡先)

上記の内容に加え、内定辞退の理由を少し説明するのも問題ありません。企業側の問題ではなく、あくまでも「私が別の選択をしました」というポジティブな理由を伝えるように心がけましょう。

内定辞退の時だけではなく、内定を受け入れ、入社を決めた際にも採用担当者にメールを出す場合があります。その際のマナーや例文を知りたい方は「内定後のお礼メールは必要?メールの内容や送る際のマナーを解説」を参考にしてください。

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ビジネス電話のマナー

内定辞退を伝える際以外にも、入社までの間に企業とやりとりをする場面は多々あります。ビジネス電話のマナーをおさえ、相手に好印象を持ってもらえるようにしましょう。

特に守りたい基本的なマナーは、次の通りです。

・電話を掛ける前にメモとペンを用意する
・最初に自分の名前を名乗る
・相手の都合(電話をする時間があるかどうか)を確認する
・言葉遣いや話すスピードに気をつける
・大事なことはメモを取り復唱して確認する
・話し終わってすぐに電話を切らない
・相手が不在の時は改めて電話を掛ける

ビジネスの場において、電話マナーは仕事を円滑に進めるために必要です。上記にリストアップした内容は最低限覚えておくようにしましょう。

ビジネスパーソンと電話をする際には、守るべきマナーやルールがいくつかあります。社会人として働き始めた後にも活用できる内容もあるため、就活の段階から学んでおくとよいでしょう。詳しくは「就活で企業への電話時間は何時にすべき?連絡マナーを守って印象アップ!」を参考にしてください。

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内定辞退の電話を掛けるのが怖い人へ

内定辞退の電話を掛けることに不安を感じる方は少なくありません。内定を辞退して、もう一度就活をやり直そうと考える方もいるでしょう。

そのような方におすすめしたいのが、就活エージェントの「キャリアチケット」です。キャリアチケットでは、専門のアドバイザーが一人ひとりの就職活動を個別にサポートし、就活のスタートから内定まで、個人に合わせたアドバイスを行っています。

就活で感じる心配や不安は、積み重なるとしんどいものです。悩みを聞いてくれるアドバイザーを味方につけ、これからの就活を有利に進めてみませんか。

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本記事の監修者

淺田真奈(あさだまな)

大学時代は接客のアルバイトを3つかけもちし、接客コンテストで全店1位になった経験をもつ。新卒では地方創生系の会社に入社をし、スイーツ専門店の立ち上げからマネジメントを経験。その後、レバレジーズへ中途入社。現在はキャリアチケットのアドバイザーとして、学生のキャリア支援で学生満足度年間1位と事業部のベストセールスを受賞し、リーダーとしてメンバーのマネジメントを行っている。

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